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はなむけの言葉(2008年度)     創立責任者 高橋 三郎

一九期生の皆さん、ご卒業おめでとう。
三年に及ぶこの学園での研鑽がめでたく完結して、この愛真に別れを告げようとしている皆さんの心の中には、いかに別れを惜しむ惜別の情が燃えていることでしょうか。この愛真高校は皆さんにとって、文字通り魂の故郷(ふるさと)となり、皆さんはここに深く根をおろすことによって、ここまで逞しく成長することができたのでした。その内容を一言で述べるとすれば、責任の主体として自立した個人へと成長してきたのだ、と私は考えています。そしてこれから皆さんが進んで行こうとしている日本の社会が、隅々にいたるまで貪欲と偽りに満たされている惨状を、皆さんもすでにご承知のことと思います。そこでは真理をめぐる戦いを避けることはできないでしょう。さんは何を武器として、この戦いに臨もうとしているのでしょうか。こう問い返すとき、三年間じっくりと聖書を学んできたことが、いかに大きな力の源泉となるかを思い、感謝のほかありません。そして皆さんの心の中にも、自立した個人としての自覚が定着して、あらゆる問題に対する判断の基準が確立しつつあるに違いないと、私は信じています。なおその上、生涯消えることのない熱き友情が育まれたことも、特筆すべき大きな恵みでした。
以上述べたような豊かな祝福に満たされて、この愛真の丘から出で立とうとしている皆さんの姿を偲びつつ、川崎の地にある私は、喜びと感謝に満たされると共に、どうか生ける主が常に皆さんと共にあり、生涯変わることのない勇気と希望を与えて下さるようにと祈っています。皆さんもどうか、ご指導下さった先生方に対する感謝を忘れることなく、後に残る後輩たちのためにも、よき先輩としての指導の責任を担い続けて下さい。どんなに遠く各地に散らばって行こうとも、心においては固く結ばれた同志として、共に前進して行きましょう。くれぐれも健康を大切にし、この愛真高校が世に送り出す手紙として、皆さんが堅実な前進を続けて下さるようにと祈っています。