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歓迎の言葉(2009年度)     創立責任者 高橋三郎

二十二期生の皆さん、ご入学おめでとう。
新進気鋭の皆さんをこの愛真高校にお迎えする運びとなったことを、私共は心から喜び感謝しつつ、この愛の共同体の中にしっかり迎え入れることができるように、と心を砕いてきました。皆さんはこの愛に包まれながら、恵み豊かな多くの出会いを経験することになるでしょう。その研鑽を通して、この学園で学ぶ最終的目標は、良心の主体として自立した人間へと成長することではないか、と私は考えています。自立した人間になるとは、世の風潮に押し流されることなく、自分の主体的判断に従って行動する個人としての独立を達成することであり、様々な学科についての学習は、この判断を支える基盤となるのです。皆さんはどうか、独立した良心的人間として立ち得るために、根の営みとしての学習に励んで下さい。
その途上において皆さんは、自分自身との戦いを、避けることができないでしょう。毎朝六時に起きて体操をすることから日々の営みが始まるのですが、もう少し寝ていたいという怠け心を克服して、毎朝この起床を実行することは、生易しいことではないでしょう。その後に続く作業や調理当番など、様々な働きの場において、自分の責任を負い抜くという経験を重ねていくことが、皆さんの人間形成にいかに大きな意味を持つことになるか、皆さんはきっと大きな驚きと喜びをもって、この研鑽の跡を振り返ることになるでしょう。また聖書を学ぶことが大切な課題となりますが、私共は皆さんをクリスチャンにしようと企てているのではありません。神を信じるか否かは各人の自由にゆだねられているのであって、決して強制してはならないからです。この点では皆さん、どうか自由であって下さい。しかし、聖書は人類に与えられた尊い遺産ですから、どんな尊い宝がそこにひそんでいるかを、どうか熱心に探求して下さるようにと、切にお願いします。
私は重い障害を負う身となったため、ここに来て直接皆さんと歩みを共にすることはできませんが、皆さんの日々の研鑽が溢れる祝福に満たされますようにと、遙かなる川崎の地から祈っています。