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収穫感謝 生徒の「ことば」  (2022年度) 保存食品班

 「今年もまた保食かぁ…」そんなことを思いながら始まった二年目の作業。正直、私は別の作業班に移動しようと思ってた。しかし、もう一年保食を続けることになり、今年の一学期の最初は作業をするのがあまり楽しみではなかった。
 五月頃に、梅林の梅を収穫して梅ジュースを作ることになった。去年、梅の収穫をした時に私は作業調理をしていたので参加できず、今回が初めての収穫だった。梅林に入った時にまず感じたことは、梅が思ったより少ないことだった。先生に聞いてみたら、どうやら今年は不作らしい。それでも頑張って集めて70個くらいの梅を収穫した。早速ジュースづくりに取り掛かった。大きな瓶に梅と砂糖を入れて日陰に置いておく。そうして長い間置いておくといつか美味しい梅ジュースができる…はずだった。瓶四本分を作った内、一つは発酵してお酒のようになり、もう一つは蟻がたかってプカプカ浮いてる悲惨な状態の梅ジュースが完成した。残りの二瓶はちゃんと梅ジュースになってくれた。不作な上に梅酒になったり蟻にたかられたりと、散々な梅収穫だった。
 こんな感じで、今年の保食はうまくいかないことが多い。マヨネーズを作ることになってフードプロセッサーで材料と油を混ぜたらなんか容器から油が漏れ出てきて酸っぱいマヨネーズができたり、栗を収穫することになって栗の木がある場所に行ったものの栗がほとんど無かったり、サラダドレッシングを作ることになって焼肉のタレ風のドレッシングを作って冷蔵庫に入れて保存したら、いざ出す時に油が固まってドレッシングが出なかったり、干し柿を干すことになってヘタに紐をくくろうとしたらヘタが付いていなかったり…
 最近上手くいくことが珍しく感じるようになってきた。だからこそ失敗せず何か作れた時、行き詰まった時に解決策を見つけた時、美味しいものができた時、私は去年と比べ物にならないほどの喜びと達成感に満ち溢れるようになり、いつしか去年よりも保食が楽しいと思うようになっていった。これからも保食は多分何かしら失敗し続けていくと思う。だからこそ、失敗しないように一つ一つの手順をじっくりやっていって、自然の恵みを使って何かを作ることができた喜びを噛みしめていきたいと思う。

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