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卒業生感話(2010年度⑬)

出会うことが人を作る。関わることが成長させる。私はここに生きている。生きて生きて生きて、今またこの場所から歩く。
 
ここでの一年目、私はただの愛真バカだった。「愛真が好きだ」「みんなが好きだ」と叫んでいただけだった。先輩と話して楽しい。同期とケンカして涙。そうやって自分の言動と存在を肯定し続ける、キレイごとしか並べられない人間だった。しかしある時立ち止まった。自分って何だ。愛真って何だ。日々静かに問われ続けるこの問いに、私はどうしても答えを見つけなければいけなかった。「自分らしく」「愛真生らしく。」そう思った時、急に生きることが苦しくなった。他人の輝きばかり見つめ、自分の存在に自信が持てなくなった。
そんな時気づかされた。私は私の命、今をただ生きればいいってことを。愛真は大きな思いと大きな願いの中に建てられたことを。素直でいることが難しいと感じていた私が、自分のありのままの心を見つめられるようになった。一人では気づけなかっただろう。仲間がいたから気づけたんだ。
私が私として今を生きられるのは、愛真の持つ温かい時の中でたくさんの命に出会ったからだろう。友、先生、空、花、プリマスロック、歌、笑顔、涙。ここで出会った全てのものが、今の私の存在を作りあげている。それらと関わること、共に悩むこと、考えることが私を成長させてくれた。たくさんの命がつながりつながって、私の命となっている。だから私は、自分という存在を認め、生かされている命を大切にしなければいけない。人は一人では生きていけないものである。
 
しかし人と関わって生きるためには、まず自分が自分として生きなければいけない。他人を見て学ぶ。他人を見て気づく。そして共に生きる。私は与えられた。自然の温かな力。共に笑い、歌い、泣き、悩める仲間。考えたり伝えたり行動に移す自由。そして自分の存在の意味を。私はここに生きている。生きて生きて生きて、今またこの場所から歩く。出会ってくれてありがとう。命はいつまでも遠く続いていく。
 
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