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作業のことば 園芸班 (2023年度) 

 地面に落としたら、見失ってしまいそうな程に小さな種。その種から芽が出てカラフルな花に変わる。小さく優しく確かにそこで咲き続け、しおれ、また種を作る。その小さな奇跡のループに、私はただただ心洗われるばかりです。

 私が園芸班に入り、もうすぐでちょうど1年半です。1年半の間、花と関わり、たくさんの自然の力と直接触れ合ってきました。昨年の秋、私は種を蒔き、自分の部屋で苗を育てていました。そして、自分の知らないうちに出た、小さなたくさんの芽に僕は感動しました。その小さな芽はいつの間にか大きくなり、春に花を咲かせました。私が芽を出させたり、花を咲かせたりしてのではありません。人の力ではない、花の生きる力を見ました。

 そして、園芸班の活動の中でもいろいろなことを経験しました。とても寒い日に、ゴマの粒よりも小さな種を2時間かけて、丁寧に蒔きました。しかし、その日の夜には風が強く、ほとんどの苗床が飛ばされてしまい、とても悲しい思いをしました。またある日には、昨日までキレイに咲いていた花がイノシシに荒らされ、悔しい思いをしたこともありました。人の力では敵わない自然の力を見ました。このようないろいろな経験を通して、人の力ではないものの力の偉大さ、厳しさ、強さ、そして人の心を癒す優しさを知りました。

 まぜ私は、花が好きなのか? それは、花が生き物だからです。花は強いです。しかし、花も花の力だけで生きているのではありません。水をやらなければ枯れてしまうし、イノシシに荒らされたら直さなくてはなりません。私は、花によって癒されています。そして私は、花の世話をしています。花と私の間にも、人と人との関係に似た支え合う関係があることを感じました。それが、自然と共に生きるということだと私は思います。そして私はその関係が好きです。

 今年、園芸班では、花やぶどう、苺、サツマイモ、ソラマメ、じゃがいもなど多くのものを育て収穫しました。花も、果物も、野菜も、小さいですが自然の中で強く伸びています。普段あまり気付かないその瞬間も、しゃがんでみれば見えてきます。私たちに出来ることは少しですが、その「少し」が何ものにも替え難い幸せなんだと思います。そして何よりも、何よりも私は園芸班にいる時間がたまらなく好きです。歌って笑って、他愛もない話をして反省して、今日の夜ご飯が何か考え、のんびりと。時には真剣にずっと草抜きの日もあれば、抜いた雑草の上で寝転がっている日もあります。私はその一つひとつが、みんなと過ごす時間が最高に好きなのです。思いっきり笑って、土に触れて、中庭から見上げる空は私の大好きな景色の一つです。お花。自然。土。空。水。色。雨。光。そしてメンバー一人ひとりに、とにかく感謝です。いつもありがとう。

 長々と話ししましたが最後に少しだけ、私の願いを伝えて終わりたいと思います。
 「花」のように踏まれても起き上がれる人になりたい。
 「花」のように力強く根をはりたい。
 「花」のように光に向かって伸びてゆきたい。
 「花」のようにアスファルトで堅く覆われても、あきらめず、前へ伸びてゆきたい。
 「花」のように目に見えないものを静かに届け、側に寄り添える人でありたい。

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