見出し画像

台湾研修旅行生徒感想文(2010年度)                台湾研修旅行に参加して

歴史は自分で調べなければわからない。過去は簡単に忘れ去られてしまう。特に自国にとって都合の悪いことは、隠してしまうから見えにくい。日韓併合についても、韓国の人たちはよく知っていて、私たち日本人はあまり知らない。被害者はよく覚えていても、加害者側は忘れてしまう。この台湾研修旅行で一番わかったことは、自分は無知であるということだった。
台湾で日本は加害者ではなかった。むしろ、台湾の発展は日本のお陰だと感謝する人もいる。日本人の私たちは責められることもなく、歓迎されてしまった。私たちを歓迎してくださったことは、本当に嬉しかった。けれども、本当にこれでいいのかと思う。私は、日本は恨まれていると思っていた。韓国のように、台湾もまた、日本に対する怒りや悲しみを持っていると思っていた。いや、持っているはずなのだ。
けれども、台湾からは日本への恨みも怒りも伝わってこなかった。台湾で出会った人たちは口をそろえて言っていた。「日本が好きだ。感謝している。」驚いた。どうしてなのか。後の国民党時代の残虐さに、事実が美化されてしまったのだろうか。日本統治時代に台湾の人たちを日本人としながら差別したり、原住民を高砂義勇隊として戦地の最前線で戦わせたり、女性を慰安婦にさせたり、日本がしたことは、台湾に対して大きな罪であると思う。日本の教育は良かったかもしれない。日本は立派な建造物を残したかもしれない。そして台湾の発展には日本が大きく関わったかもしれない。しかし事実だとしても、それは台湾のためにやったことではない。
日本にも色々な考えの人がいるけれど、台湾の発展は日本のお陰で感謝すべきだという考え方は間違っていると思う。植民地支配は歴史上当たり前のことだ、と言ってしまうこともできるだろう。確かに今の世界があるのは、植民地支配が繰り返されてきた結果だ。けれども強い国が弱い国を支配するというやり方は、認めてはいけないと思うのだ。国と国、人と人の間に上下関係があるのは変だ。日本に米軍基地があることや、いじめがあるのも変だ。研修旅行の反省会の時の「平和学習で大切なことは、自分には何ができるか考えること、それを行動に移すこと」という言葉が心に残っている。この変なことが当たり前になっている社会を変えるにはどうしたらいいのか。愛国心って何だろう。必要なのだろうか。国って何だろう。どうして神様は人を造ったのか。疑問だらけだ。私はまだ、この世界のことを何も分っていない。
台湾に行って、今まで知らなかったことを沢山知ることができた。反面、その何倍もの知らなければならないことも増えた。今私がなすべきことは、真実を探すことだと思った。勉強が必要だと思った。何も知らないでは私は何もできない。世界の現実を知って、これから私は傷つき、考え、行動することができる。それが私に与えられた自由だと思う。私は愛真で、真理を求めることに一生懸命になろうと思う。台湾で
私に学ぶ機会を与えて下さった全てに感謝します。
#キリスト教愛真高等学校 #愛真高校 #島根 #江津 #高校 #全寮制 #キリスト教 #キリスト教学校 #感話 #高校生のことば #ことば #台湾 #平和学習

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!